
●このコーナーでは、私の撮った写真を掲載しています●
☆この写真は、昨年の3月に撮った「フクジュソウ」です。
前日はいい天気だったので、とても見事に花開いたのですが、この日は雪が降り、みるみるうちに花が雪で覆われてしまいました。
フクジュソウを漢字で書くと、福寿草というとても縁起の良い植物です。このあたりでは「元日草」ともいいますが、これもフロントページに書いたように旧暦でのことです。
小町山自然遊歩道にもフクジュソウがあり、花のときになると、なぜこのようないつ雪が降るかもわからないときに咲くのだろうか、といつも思います。でも、フクジュソウにも十分に考え尽くされた生き方がありました。
まず、早春のまだ花の少ない時期に咲けば、競争相手は極端に少ないはずです。たしかに、いつ雪が降るかもしれない気候の厳しさはありますが、太陽の光が射しているときだけ花開き、少しでも曇ると花を閉じ、気候の変化に対応しています。さらに、この花はパラボラアンテナのような光を集めやすい形をしており、温度計で測ってみても花びらの中は暖かいようです。
そして、不思議なことに、虫媒花のほとんどは花の中に蜜を作ることで昆虫たちに来てもらい花粉を運んでもらうのですが、フクジュソウはほとんど蜜を作れません。では、なぜ昆虫が来てくれるのかといいますと、この花の暖かさではないかと言われているのです。もちろん、この時期は昆虫だって寒いはずです。だからこそ、ときどきフクジュソウの花を訪れ、体を温めているのかもしれません。さらに、この暖かさが種子を成熟させるためにも役立っています。ある方が実験したそうですが、フクジュソウを2つのグループに分け、確実に受粉したことを確認した後で、1つのグループはそのまま花びらを残し、もう1つのグループは花びらをすべて切り落としました。そして種子が成熟するまで観察を続けましたが、花びらがあった方は70%が種子をつくったそうですが、花びらを切り落とされた方は50%しか種子をつくれなかったといいます。ということは、花が太陽の光を集めて昆虫を引き寄せるだけではなく、自分の種子をつくりだすためにも役立っているということになります。そして、この観察でもわかることですが、自家受粉をしないように、メシベが先に成熟し、他の花のオシベの花粉を受粉するようにできていますから、これだって優秀な子孫を残すためにしていることの1つです。
また、この種子をつくる課程でもわかることですが、まず花を咲かせ受粉し、そして子孫を残すことが一番の優先課題で、その次に茎や葉をのばし自分そのものの生存に必要な養分を蓄えます。まず子孫を残し、それから自分のことを考えるということは、厳しい自然を何代にわたって生き抜くためには必要なことなのです。
そして、早春に他に先駆けて花を咲かせ、子孫を残し、自らが生きる養分を十分に蓄え、2〜3ヶ月でさっさと地上部を枯らし、冬眠に入ってしまいます。そうすれば、他の植物たちが葉を大きく茂らせるころに無益な競争をすることもありませんし、無駄なエネルギーを使うこともありませんから、フクジュソウの生き方は省エネそのものの生き方でもあります。
このようにフクジュソウの生き方を見てみると、フクジュソウの生き方にも個性があり、見習うべきこともたくさんあります。フクジュソウは、その名の通り、人と争うことを好まない福寿の精神で生きているようです。
(2009年3月26日撮影)
大黒さまのホームページPart4へは、下の絵馬を押して下さい。
タイトル画面へ戻る