12.小町山自然遊歩道便り

●小町山自然遊歩道の今(2024年11月1日 現在)をお知らせします●

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☆小町山自然遊歩道便り

 このコーナーでは、小町山自然遊歩道の今をお知らせしています。

 10月29〜30日にかけて、下野三十三観音札所をお詣りしてので、今回の写真は10月31日の朝にすべて撮りました。
 久しぶりに、1日で撮ったものだけを載せたので、まさに10月31日に咲いていた植物の花や実だけです。やはり、今ごろになると、花よりも実のほうが多くなることに気づかれたことでしょう。
 収穫の秋は、人間だけのものではなく、植物たちにとっても、自分たちの子孫を残す大切な季節だとわかります。これらの実が地面に落ち、あるいは鳥や動物たちによって食べられ、あちこちに増えていきます。それが自然の営みです。
 たとえば、ブナの実などが昨年は極端な不作で、それで野生の熊を初め多くの動物たちが里に下りてきた理由です。それで、里の食べ物のほうがおいしいと思えば、なかなかもとには戻ってくれません。それで、人との不調和が生まれてくるのです。
 今、岩波ジュニア新書の「野生動物は「やさしさ」だけで守れるか?」を読んでいますが、ほとんど触れる機会がない人たちにとってはすぐかわいそうと言いますが、農家の人たちにとっては生活の糧を奪われたり、時には身の危険にさらされることだってあります。
 まさに、「やさしさ」だけでは守っていけません。
 この小町山自然遊歩道にも、アナグマやカモシカ、リス、野ウサギ、ときには集団で野生のサルたちがやってきます。おそらく、動物園で見る姿とでは、まったく違うと思います。
 ただ、危険をともなうので、なるべくなら、遭遇しないほうがいいと思います。

 (今回の写真は、10月31日に撮影しました。)


石のテーブル

ノコンギク

イヌタデ

サワアザミ

ムラサキシキブの実

アズマシャクナゲの花芽

ロウヤガキ

サワフタギの実

ノブドウの実

トリトマラズの実

ヨウシュヤマゴボウの実

ヌスビトハギの実

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※小さな花々も大切に!

 草木にも人間と同じ生命があります。一粒のタネが地面に落ち、やがて季節が来て芽生え、成長し、花開き、実を結び、そしてついには枯れて土に戻っていきます。このすばらしい自然の環を大切にしなければならないと思います。まさに人をいたわると同じ気持ちで……。
 そして、植物と仲良くなるには、先ず植物の名前を覚えることです。名前は単なる符牒にすぎないという人もおりますが、その背景には、必ず人間との深い関わり合いがあり、結構面白いものです。ある文人は、「植物名は、短い形式の文学だ」といいましたが、私も全くその通りだと思います。

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☆小町山自然遊歩道について

 小町山自然遊歩道は、昭和59年より作りはじめ、今現在も仕事の合間をみて作業を続けています。植裁の中心は、なんといっても石楠花(シャクナゲ)で、日本ツツジ・シャクナゲ協会を初めとする全国各地の愛好者による献木が多く、日本や世界のシャクナゲなど370種類、6,000本が植えられています。そして、300種類をこす山野草も、なるべく自然のままに植付けられており、いつでも楽しめます。
 ここには、まだ非公開ですが、私が世界各地より収集したシャクナゲの原種を植え込んだ「The Rhododendrons Species Section」があり、この充実にもつとめています。

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